第13回FUKUOKAゲームインターンシップ デザイナーコースの髙妻亜彩です。
2回目のブログ更新ということで、今回は8月13日からの2週間についてです。
いろいろなことがありましたが、ラフ画制作とキャラクター制作、そしてコミュニケーションをとることの大切さの3点に
ついてお話したいと思います!
制作するゲームの方向性が決まり、早速ゲーム画面のラフ画を描いて、アーティストの社員の方にそれを見せに
行ったところ、沢山の指摘をうけてしまい、ラフ画の見直しが必要となりました。
そこで、そもそも「和風な絵柄」とはなんぞや、ということで、資料探しのためまずは本屋へ!
インターネットで画像検索でも良いのですが、わたしはやっぱり資料は手にとって眺めたいので、本を探します。
和風な絵、と一言で言ってもいろいろです。
まず日本画と定義されるものにはこのような特徴があるそうです。
1.写真のような写実を追わない。
2.陰影が無い。
3.鉤勒(こうろく、輪郭線)がある。
4.色調が濃厚でない。
5.表現が簡潔である。 (※Wikipediaより引用)
前回の私の書いたラフ画は単純に筆ペン風な線を用いただけで、日本画に掠りもしていなかったということですね!
他にも水墨画や浮世絵や種類も様々でいまいちよくわからない!
かといって、今から一から勉強するような時間を割くことはできないので、とりあえず下記の良さげな本を
2冊購入しました。
★『美のワンダーランド 十五人の京絵師』(青幻舎)
こちらは九州国立博物館にて平成24年7/10~9/2まで開催されていた展覧会の公式ガイドブックとなっており、
様々な日本画の絵師の作品が載っています。
一冊で色んなタッチの絵を見ることができました。
★『妖怪萬画 妖怪たちの競演 Vol.1』(青幻舎)
こちらは妖怪が沢山載った文庫本サイズの本です。
主に、様々な絵巻物に描かれた妖怪画を多数収録しており、知らなかった妖怪が沢山いて読んでいてワクワクします。
この2冊を読みながら、和風な絵について模索してラフ画を仕上げました。
どうでしょう?修正前のラフ画に比べたら、だいぶ和な雰囲気ではないでしょうか?
あまり厚く塗り過ぎないのがコツかなと思いました。
ゲーム画面のラフについてはこのくらいにして、次はプレイヤーキャラクターです。
3人で話し合っているうちに「凄腕忍者がとある村に現われた妖怪を退治する」といったストーリーはどうかという
アイデアが出ました。
そこで「妖怪退治といったらお坊さんかな」、と頭に浮かんだので、お坊さんと忍者を組み合わせてみたらどうかと
考えていた時の産物が下記のラフスケッチです。
結局、妖怪退治というストーリーではなく「主人公が修行のため妖怪や罠だらけの洞窟に入っていく」というものに変更したため、お坊さん要素は不要になってしまいました...。
また、横スクロールゲームということで、プレイヤーキャラクターはかなり小さめに描くことになることや、走る・ジャンプなどのアニメーションが入るため細かな装飾は手間になること等、様々な問題点に頭を悩ませた結果、シンプルに
落とし込むことにしました。
これから更に頭巾をはずしてみたり鉢巻をつけてみたり試行錯誤。
こんなにシンプルなキャラクターでも、考える要素は山ほどありました。
![FGI2012夏_髙妻氏2[9].jpg](https://www.gff.jp/internship/FGI2012%E5%A4%8F_%E9%AB%99%E5%A6%BB%E6%B0%8F2%5B9%5D.jpg)
ちっさ!!!
かなり小さいですね。
まぁゲームの仕様上このサイズで描く必要があるのですが、こんなに小さいキャラクターを動かすなら
ほんとごちゃごちゃした衣装は描き込めません。

うーん、目立たない...。
背景とのバランスを意識してプレイヤーキャラクターも淡く色づけしたところ、背景と馴染みすぎてしまいました。
プレイされるお客様が操作中にプレイヤーキャラクターを見失わないような工夫が必要です。
あえて彩度の高めな色を仕様し、背景とはっきり差をつけることで見やすくしてみました。
また、覆面を結んだあとの余った布のヒラヒラ部分を大きめに描くことで視認性を高くしました。
ズボンの色も白から上着と同じ赤色にして情報量を減らしました。
と、このようにプレイヤーキャラクターの土台の完成だけでかなりの試行錯誤がありました。
私自身、キャラクターデザインをしてみたい!という夢があるのですが、ただ自分が好きなように描けば良いという
わけではありません。
プロのゲーム制作の現場では、プレイされるお客様の目線になって、一つ一つの要素に対して真摯に
向きあわなければならないということを学びました。
土台が完成したところで、更に、キャラクターを動かすために必要な差分(動きの途中のコマ。下図参照。)を描く
必要があります。
やることは山ほどあるのです。
プレイヤーキャラクター、敵キャラクター、背景やゲーム中登場する様々な仕掛け等、制作しなければならない
グラフィックが沢山!
さすがに、一人で上記に挙げた量のグラフィックを用意するのは不可能と判断し、ゲームデザイナーの菊岡さんに
UI(プレイヤーキャラクターの残機数やHPゲージ等の情報の表示様式のこと。「表示周り」とも言います。)と
オープニング・エンディングの制作をお願いすることにしました。
それでも「期間内に...お、終わるのかぁ~?」といった状況です。
ですが大変なのはみんな一緒です。弱音なんて吐いてられません!
完成に向けてひたすら描くのみです!
...と言いたいところですが、何から描いても良いというわけではなく、ゲームを構成する上で最低限必要な要素から
描いていったり、ゲームデザイナー・プログラマーと相談して優先して作ったほうが良いものの順位を決めていくことが
大切です。
好き勝手に描いて結果それが使えないものになってしまっては時間と労力の無駄になってしまうので、こまめにお互い確認をとり合いながら、進めていきます。
ゲーム制作においては個々人の技術力も大切ですが、それ以上に仲間とのコミュニケーションが
必要不可欠なのです!
コミュニケーション力、と聞くと渋い顔をする方もいらっしゃるかと思います。
私自身、誰とでも気兼ねなく話せるようなタイプではなく、コミュニケーションをとることは苦手だと思っていました。
ですが、実際はそうではなく、お互いの考えにずれが無いか確認したり、相手に間違いがあればそれを見て見ぬフリをせずきちんと指摘したり、仲間や相手のことを考えた行動をとることが大切なのです。
コミュニケーション力とは、大きな声でハキハキと自分の意見を伝えるだとか、誰とでも仲良くなれるだとか、
そういうことではないのです。
仲間や相手のことを良く考え、思いやった行動を心がければ、自然とコミュニケーションは取れるのだと思います。
もちろん、大きな声で話せたり、誰とでも仲良くできるにこしたことはないと思います。が、それが直接
コミュニケーション力に繋がるというわけではないと思うのです。
大きな声で自分の意見を伝えられても、それが意見の押し付けであればそれはコミュニケーションでは
ありませんよね。
今回のインターンシップで私はコミュニケーションとは何かということが正しく理解できたように思います。
ゲーム制作に限らず学校や日常生活でも大切なことだと思います。
コミュニケーション苦手だな、と思う方は、買い物をして商品を受け取ったらレジの人に「ありがとう」と伝えるだとか、
そういうところから始めてもいいのではないでしょうか?
菊岡さん、石原さんとコミュニケーションをとりながらゲーム完成に向けて頑張っていきたいと思います!
それでは今回はこれで終了です。
第3回目もお楽しみに!
>>【2012夏】サイバーコネクトツー/デザイナーコース 髙妻亜彩さん(1)
>>【2012夏】サイバーコネクトツー/デザイナーコース 髙妻亜彩さん(最終)
>>サイバーコネクトツーのウェブサイトはこちら
2回目のブログ更新ということで、今回は8月13日からの2週間についてです。
いろいろなことがありましたが、ラフ画制作とキャラクター制作、そしてコミュニケーションをとることの大切さの3点に
ついてお話したいと思います!
制作するゲームの方向性が決まり、早速ゲーム画面のラフ画を描いて、アーティストの社員の方にそれを見せに
行ったところ、沢山の指摘をうけてしまい、ラフ画の見直しが必要となりました。
そこで、そもそも「和風な絵柄」とはなんぞや、ということで、資料探しのためまずは本屋へ!
インターネットで画像検索でも良いのですが、わたしはやっぱり資料は手にとって眺めたいので、本を探します。
和風な絵、と一言で言ってもいろいろです。
まず日本画と定義されるものにはこのような特徴があるそうです。
1.写真のような写実を追わない。
2.陰影が無い。
3.鉤勒(こうろく、輪郭線)がある。
4.色調が濃厚でない。
5.表現が簡潔である。 (※Wikipediaより引用)
前回の私の書いたラフ画は単純に筆ペン風な線を用いただけで、日本画に掠りもしていなかったということですね!
他にも水墨画や浮世絵や種類も様々でいまいちよくわからない!
かといって、今から一から勉強するような時間を割くことはできないので、とりあえず下記の良さげな本を
2冊購入しました。
★『美のワンダーランド 十五人の京絵師』(青幻舎)
こちらは九州国立博物館にて平成24年7/10~9/2まで開催されていた展覧会の公式ガイドブックとなっており、
様々な日本画の絵師の作品が載っています。
一冊で色んなタッチの絵を見ることができました。
★『妖怪萬画 妖怪たちの競演 Vol.1』(青幻舎)
こちらは妖怪が沢山載った文庫本サイズの本です。
主に、様々な絵巻物に描かれた妖怪画を多数収録しており、知らなかった妖怪が沢山いて読んでいてワクワクします。
この2冊を読みながら、和風な絵について模索してラフ画を仕上げました。

▲修正前
![FGI2012夏_髙妻氏2[1].jpg](https://www.gff.jp/internship/FGI2012%E5%A4%8F_%E9%AB%99%E5%A6%BB%E6%B0%8F2%5B1%5D.jpg)
▲修正後
どうでしょう?修正前のラフ画に比べたら、だいぶ和な雰囲気ではないでしょうか?
あまり厚く塗り過ぎないのがコツかなと思いました。
ゲーム画面のラフについてはこのくらいにして、次はプレイヤーキャラクターです。
3人で話し合っているうちに「凄腕忍者がとある村に現われた妖怪を退治する」といったストーリーはどうかという
アイデアが出ました。
そこで「妖怪退治といったらお坊さんかな」、と頭に浮かんだので、お坊さんと忍者を組み合わせてみたらどうかと
考えていた時の産物が下記のラフスケッチです。

▲うーん、ごちゃごちゃしていてイマイチ・・・

▲袈裟つき忍者。動きにくそうですね
結局、妖怪退治というストーリーではなく「主人公が修行のため妖怪や罠だらけの洞窟に入っていく」というものに変更したため、お坊さん要素は不要になってしまいました...。
また、横スクロールゲームということで、プレイヤーキャラクターはかなり小さめに描くことになることや、走る・ジャンプなどのアニメーションが入るため細かな装飾は手間になること等、様々な問題点に頭を悩ませた結果、シンプルに
落とし込むことにしました。

▲こんな感じに。
これから更に頭巾をはずしてみたり鉢巻をつけてみたり試行錯誤。
こんなにシンプルなキャラクターでも、考える要素は山ほどありました。
▼そして実際の自機のサイズで描いてみたのがこちら。
![FGI2012夏_髙妻氏2[9].jpg](https://www.gff.jp/internship/FGI2012%E5%A4%8F_%E9%AB%99%E5%A6%BB%E6%B0%8F2%5B9%5D.jpg)
ちっさ!!!
かなり小さいですね。
まぁゲームの仕様上このサイズで描く必要があるのですが、こんなに小さいキャラクターを動かすなら
ほんとごちゃごちゃした衣装は描き込めません。
▼この仮案のプレイヤーキャラクターを画面上に乗せてみます。

うーん、目立たない...。
背景とのバランスを意識してプレイヤーキャラクターも淡く色づけしたところ、背景と馴染みすぎてしまいました。
プレイされるお客様が操作中にプレイヤーキャラクターを見失わないような工夫が必要です。
▼そして改善したものがこちら。

また、覆面を結んだあとの余った布のヒラヒラ部分を大きめに描くことで視認性を高くしました。
ズボンの色も白から上着と同じ赤色にして情報量を減らしました。
と、このようにプレイヤーキャラクターの土台の完成だけでかなりの試行錯誤がありました。
私自身、キャラクターデザインをしてみたい!という夢があるのですが、ただ自分が好きなように描けば良いという
わけではありません。
プロのゲーム制作の現場では、プレイされるお客様の目線になって、一つ一つの要素に対して真摯に
向きあわなければならないということを学びました。
土台が完成したところで、更に、キャラクターを動かすために必要な差分(動きの途中のコマ。下図参照。)を描く
必要があります。
![FGI2012夏_髙妻氏2[8].jpg](https://www.gff.jp/internship/FGI2012%E5%A4%8F_%E9%AB%99%E5%A6%BB%E6%B0%8F2%5B8%5D.jpg)
▲こんな感じで。
やることは山ほどあるのです。
プレイヤーキャラクター、敵キャラクター、背景やゲーム中登場する様々な仕掛け等、制作しなければならない
グラフィックが沢山!
さすがに、一人で上記に挙げた量のグラフィックを用意するのは不可能と判断し、ゲームデザイナーの菊岡さんに
UI(プレイヤーキャラクターの残機数やHPゲージ等の情報の表示様式のこと。「表示周り」とも言います。)と
オープニング・エンディングの制作をお願いすることにしました。
それでも「期間内に...お、終わるのかぁ~?」といった状況です。
ですが大変なのはみんな一緒です。弱音なんて吐いてられません!
完成に向けてひたすら描くのみです!
...と言いたいところですが、何から描いても良いというわけではなく、ゲームを構成する上で最低限必要な要素から
描いていったり、ゲームデザイナー・プログラマーと相談して優先して作ったほうが良いものの順位を決めていくことが
大切です。
好き勝手に描いて結果それが使えないものになってしまっては時間と労力の無駄になってしまうので、こまめにお互い確認をとり合いながら、進めていきます。
ゲーム制作においては個々人の技術力も大切ですが、それ以上に仲間とのコミュニケーションが
必要不可欠なのです!
コミュニケーション力、と聞くと渋い顔をする方もいらっしゃるかと思います。
私自身、誰とでも気兼ねなく話せるようなタイプではなく、コミュニケーションをとることは苦手だと思っていました。
ですが、実際はそうではなく、お互いの考えにずれが無いか確認したり、相手に間違いがあればそれを見て見ぬフリをせずきちんと指摘したり、仲間や相手のことを考えた行動をとることが大切なのです。
コミュニケーション力とは、大きな声でハキハキと自分の意見を伝えるだとか、誰とでも仲良くなれるだとか、
そういうことではないのです。
仲間や相手のことを良く考え、思いやった行動を心がければ、自然とコミュニケーションは取れるのだと思います。
もちろん、大きな声で話せたり、誰とでも仲良くできるにこしたことはないと思います。が、それが直接
コミュニケーション力に繋がるというわけではないと思うのです。
大きな声で自分の意見を伝えられても、それが意見の押し付けであればそれはコミュニケーションでは
ありませんよね。
今回のインターンシップで私はコミュニケーションとは何かということが正しく理解できたように思います。
ゲーム制作に限らず学校や日常生活でも大切なことだと思います。
コミュニケーション苦手だな、と思う方は、買い物をして商品を受け取ったらレジの人に「ありがとう」と伝えるだとか、
そういうところから始めてもいいのではないでしょうか?
菊岡さん、石原さんとコミュニケーションをとりながらゲーム完成に向けて頑張っていきたいと思います!
それでは今回はこれで終了です。
第3回目もお楽しみに!
>>【2012夏】サイバーコネクトツー/デザイナーコース 髙妻亜彩さん(1)
>>【2012夏】サイバーコネクトツー/デザイナーコース 髙妻亜彩さん(最終)
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