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FUKUOKAゲームインターンシップBLOG

世界、そして、未来を見据える人たちが、福岡にいます。

GFF加盟企業をはじめとする福岡のゲーム企業の現場に入ってその仕事を体験する、ゲームインターンシップ制度。
ゲーム制作の厳しさ、楽しさを学んで、ゲームクリエイターになるきっかけをつかむ体験をブログ形式で報告します。

プランナーコース: 2013年1月アーカイブ

こんにちは!ゲームデザイナー志望の菊岡梨恵です。
私のブログの回も、いよいよ最終回の第4回目となりました!

ほぼ1ヶ月、毎日通った、ここサイバーコネクトツーの研修室とももうすぐお別れかと思うと寂しいです。

しかし!
しんみりするのもこの辺りまでにして、早速、本編に入りたいと思います!


■β版提出
前回のブログでは、α版提出までの流れまでご説明しました。
あれから、ゲームの内容もかなり充実してきて、当初イメージしていたゲームに
やっと近づいてきたといったところです。

しかし、いくら毎日スケジュールをつけていっても、社員の方にスケジュール表の作り方、
効率のいい方法を教えていただいても、日に日に作業がどんどんおしていくという日々が続きました。

ですが、締切りの日にちは延びない訳で、こうなってしまった以上はなんとかしてβ版を完成させるしかありません!

つまり、仕様の取捨選択です。

ゲームの内容の中で必要な優先順位を決め、削れるものは削り、変更可能な仕様は変更し、
ゲームの操作性・爽快感を損なわずに、期日に間に合わせるのです。

α版提出以降、今日に至るまで、朝と就業時間後に、皆でどの項目を優先させ、どこを削るか、
毎日会議の時間を設け、コミュニケーションをとってきました。
その甲斐あってか、α版に比べ、β版は、見違えるほど内容が濃いゲームとなりました!


■ブラッシュアップ
さて、断腸の思いでゲームの仕様の取捨選択をおこない8月31日の、β版提出が過ぎ去ったわけですが、
言うなればここからが山場となる『ブラッシュアップ』の期間に突入しています。
(このブログを書いている今現在は9月5日となっています。)

※ブラッシュアップとは・・・β版以降に行う作業のことを指し、
                 主にバグ取り・操作感の調整など、
                 製品化に向けての品質向上にあてる期間のことをさします。

ここでも、私たち3人はさまざまな壁にブチあたりました。
  ・ルールがわかりづらい
  ・ボスがあんまりハラハラしない
  ・今回の売りである『天地反転』の操作による特性があまり出ていない
  ・テンポは悪くないが淡白
  ・アイテム取得時に達成感があまりないので、アイテムを取ろうと言う気が起きない
などなど、これ以上にもいっぱいあったのですが、ここには書ききれない量になってしまいそうなのでやめておきます。

多数の社員の方に実際にβ版をプレイしていただき、こういったご指摘をたくさんいただくことができました!

普段、ゲームの専門学校に通う私にとっては、自分がつくったゲームに、業界で働いている現役の方から
直接ご意見をいただけるなんて、またとない経験です!
大変勉強になります!!

ですが、いただいた意見すべてを反映させたいのはやまやまですが、残り期間1週間では
ちょっと無理な話になります。

ここで、またしても優先度会議が開かれます。

プログラマー・デザイナー・アーティスト三者とも、どうすれば一番負担の軽い方法で、
かつプレイする側も納得できるのか・・・といったことを模索し、その場での最善策を取っていきます。

実際に改善されたゲーム画面の一例がこちら。

FGI2012夏_菊岡氏4[2].jpg
画像で見ても変化がお分かりいただけるかと思います。
実際自分でレベルデザイン(ゲームステージの設計や難易度など)の調整を行う中で、足場のブロックひとつとっても、
置き位置をすこしかえるだけでがらりと遊び方が変わってしまうので、配置に頭を悩ませました。

ですが、レベルデザインもゲームデザイナーの大事な仕事です!

レベルデザインに関しては全く経験がなく、一から手探りでの作業となりましたが、レベルデザインを
主に担当されている社員の方にお話を伺い、参考になるご指摘などをいっぱいいただくことができました。

その中で一番印象に残った言葉が
「いかにプレイヤー楽しませつつ、ゲーム序盤でゲームのルールを覚えてもらうか」ということでした。

ルール説明ひとつとっても『お客さまを楽しませる』というサービス精神の重要性を改めて認識しました。

ちょっとずつですが、このゲームづくりという根本の考え方に関しても、成長できたのではないかと思います。

それは、
  ・コミュニケーションの重要性
  ・『自分の好み』ではなく『プレイする側の納得度』でゲームをつくること
  ・細かな仕様ひとつとっても、相手を納得させる理論をもつこと

私の通う専門学校でも、ゲームを解説した本でも、同じようなことはもちろん言っていますし、描かれていることでしょう。

しかし、実際のゲームつくりの現場に入らせていただいて、このことを本当の意味で理解するのは全然違いました。
まさに『百聞は一見にしかず』を体感したわけです。


■企画書について

また、企画書を書く上でも、社員の方のお話・ご指導は大変勉強になりました。
※企画書の意味についてご不明な方は菊岡のブログ第2回目をご参照ください。

下の画像が、改善前の企画書の一例です。

FGI2012夏_菊岡氏4.jpg
社員の方に
  ・和風のゲームなので、巻物風というのはわかるが、その所為で視線の流れが悪い。
  (左から右によんだり(視線①)、上から下によんだり(視線②)と忙しい)
  ・画像が小さいので伝えたいことがよくわからない
  ・下の3行が『押したい情報』のはずなのに、全然目に入ってこない
  ・文章量が多い
以上のようなご指摘をいただき、改善し、下記のようになりました。

FGI2012夏_菊岡氏4[1].jpg
  ・視線の流れをすべて右から左に向けるようにする
  ・見せたい部分の画像を大きく切り取る。
  ・文章を減らし、その分画像のあいたスペースに注釈を入れる。

どうでしょう?
自分では、だいぶ見やすくなったのではないかと思います。


■FUKUOKAゲームインターンシップを通して

上記でも述べた通り、早いもので、このインターンシップも終わろうとしています。

ですが、1ヶ月という短い期間の中で、身についたものはとても多かったと自負しています!

それはやはり、実際のゲーム業界の現場で、ゲームをつくっている方々にご指導いただきつつ、ゲーム制作に全力を注げたからだと思います。

3人という少ない人数、1ヶ月という短い開発期間でのゲームづくりとなりましたが、技術的・精神的に成長した部分は
とても大きいと思います!

社員の方の企画書を拝見させていただいて、盛大に落ち込んだり、本当にゲームを完成させることが出来るのか
不安になって焦ったり、ゲームの中で、キャラクターが動いているのを見て、テンションがあがったり、
本当に様々なことがありました。

どれもすべて、この『FUKUOKAゲームインターンシップ』に参加できたからこそ、経験できた、貴重な財産です。

このブログを見て、ゲーム業界に興味が湧いた人、インターンシップに参加したいと考えている人がいてくだされば
大変嬉しいです。

私自身も、未来のゲームデザイナーを目指し、もっともっと勉強していこうと思います。

ゲームクリエイターを目指すそこのあなた、頑張りましょう、共に。

では、ここまでお付き合いくださった皆様、大変ありがとうございました。


>>【2012夏】サイバーコネクトツー/プランナーコース 菊岡梨恵さん(1)

>>【2012夏】サイバーコネクトツー/プランナーコース 菊岡梨恵さん(2)

>>【2012夏】サイバーコネクトツー/プランナーコース 菊岡梨恵さん(3)


>>サイバーコネクトツーのウェブサイトはこちら

こんにちは!ゲームデザイナー志望の菊岡梨恵です。
私のブログの回も、なんと3回目となりました!

それはつまり、ここサイバーコネクトツーにてゲームづくりを始めて3週間が経過したことを意味します。
早いものです...。

では、しみじみ感慨にふけるのもこの辺にして、第3回目の今回は、
α版提出までの流れをお話させていただこうかと思います!
(α版という用語が不明の方はぜひ、前回の菊岡のブログをお読みください)


■ゲームフロー
α版提出の流れに入る前にまず、下の画像をご覧ください

FGI2012夏_菊岡氏3[4].jpg
これは『ゲームフロー』といって、ゲームの遷移を図解したものになるのですが、これをゲームデザイナーが作成し、
チームが閲覧して、どういうゲームの進行になるのかを確認する図です。
平たく言えば、ゲームの設計図ですね。

ところで皆さんは、隣り合わせのこの2枚が、同じゲームのフローチャートなんて信じられますか?

改善前は、自分で制作したものです。
制作しておきながらなんですが、色と文字がごちゃごちゃしていて、読む気がしません。

まぁ、「なんとなく見やすいかも...」なんて理由で色分けした訳です。
ですが、その所為で、もとからごちゃごちゃしている遷移図が、なおさら整備されていない印象をうけます。

変わって、右のゲームフローですが、これはインターンシップ指導担当の方に見ていただいて、
手直ししたものとなります。

すごく見やすいです。
どういう風に場面と場面が切り替わるのかが、ちょっと見ただけでもすぐに確認できて、制作する上でも大変便利です。

ご指導いただいた内容としては、
  ・分岐がある内容の時は、わかりやすく「はい」「いいえ」などで方向を振り分けて書く。
  ・ゲームフローの流れは上から下の直線の流れで遷移するようにする。
  ・誰が見てもわかるものを
というものでした!

わかったつもりでも、いざ実践しようとすると、こんなにも難しいものなんですね。

このフローを通して学んだことは「なんとなくこうしとけばいいかも...」なんて曖昧な動機で作成しては、かえって状況が悪化するということでしょうか。
日々是精進です。

同じゲームフローでも書き方ひとつでこんなにも違うというお話でした。


■α版提出前夜
このゲームフローを筆頭に、作成された仕様書を元にゲームづくりは進んでいく訳ですが、ゲームの内容については、私のブログではまだ触れていなかったのでここで軽くご説明したいと思います。

前回でのブログで「横スクロールゲーム」ということは、すでに皆様に告知させていただいたのですが、今回私たち
チームで重きを置いたのが、『ウィンドウを上下左右関係なく、動き回れる「自由度の高いものを」』というものでした。

そこで生まれたのが今回のゲーム。

前述の通り、上下左右に動き回ることで活きてくる2Dゲームということで、「天地反転」を主体とした
横スクロールゲームとなりました。

プレイヤーが「天地反転」のボタンを押すと、重力が反転し、逆さまで移動できるという、天と地が入れ替わるゲームになっています。

途中、敵も出てきますが、すいすい避けて進む回避仕様です。

文面だと多少わかりにくいかと思いますので、実際のゲーム画面を見つつ、基本的な遊び方をご説明したいと
思います!

FGI2012夏_菊岡氏3[5].jpg

障害物があって通れない道も...











重力が反転して、プレイヤーが
逆さまになり...










天井を通って進むことができるようになります!










こうしてパズルのような道をかいくぐり、プレイヤーは自分なりのルートを開拓し、
ゴールを目指すというゲームです。

さて、このゲーム「忍者 天地逆丸(てんちさかまる) ~免許皆伝への道~」というタイトルに決定しました!!

α版前日に、スムーズにタイトル決定したまでは良かったのですが、いよいよα版の締切りが何時間後に
迫ってきたという段階で、恐れていた事態が発生しました。

そう、仕様の変更です。

仕様書作成当初はかなり強かったボスキャラが、ゲームのルールなどを一部変えたため、
『強いとなかなか倒すのが大変になる』という壁にブチあたり、泣く泣くボスを弱くすることに。
それに伴ってマップチップも少々書き換えです。
※マップチップの意味は前回のブログにてご説明しているので割愛させていただきます。

とはいえ、ゲーム制作をしていれば、仕様の一部変更などざらにある話なので、気を取り直してマップチップを
作り直したいと思います。

FGI2012夏_菊岡氏3[1].jpg
ブロックの足場の位置や岩の位置、また長さなども変わったのがわかるかと思います。

ではなぜ、こんなにがらっと変わったのでしょう。
ひとつずつ、順を追って解説したいと思います。

まず、インターン指導担当の方に言われたのが
『ゲームをプレイしてくれる人が「納得」してもらうためのゲーム、仕様にすること!』という言葉でした。

例えば、ルールでいくら説明がされていても、本来の仕様なのであっても、プレイする側の人間が納得がいかず、
「バグ」だと思えばそれは「バグ」なのです。

それを作った側がいくら「これはこういう仕様なんですよ」と、説明したところで、一度そんな印象を受けたゲームを、
もう一度プレイしようなんて気にはなかなかなれないはずです。
そういった趣旨の話を受けて、今回作り直したのが上のマップになります。

気を付けたポイントとしては
・1機死んでしまっても、チェックポイント制でスムーズに復活できる。
・トンネル(どうくつ)による暗転での切り替えをなくし、シームレスにすることで、よりテンポのよいゲーム感を。
・はじめ、ボスは倒す仕様でいましたが、ザコ敵は倒す仕様ではなく回避していたので、ボスも避けれるような仕様に。

...などなどです。

この言葉を胸に、いざα版までラストスパートです。


■α版提出
提出日当日となった8月24日、作業におわれているチームメンバーの写真です。
みんな忙しそうですね。

FGI2012夏_菊岡氏3[2].jpg
また、α版の提出を終えても、翌週にはいよいよβ版の提出です。

一段落つく間もなく、みんなβ版にそなえての各自の作業に入らなければなりません。


■β版を控えて
このブログを書いている今現在、α版の提出は完了しましたが、まだまだゲームとして、十分に遊べる段階では
ありませんでした。
また、β版に向けて時間に追われる中、個人作業も増え続けます。

そんな時にこそ、ゲームの仕様や概要をみんなで共有し、不明点をなくすという作業が
大変重要になってくるということを痛感しました。

また、みんなにわかりやすく説明したいのにうまい言い回しができず、ゲームデザイナーとしての己の無力を
痛感する日々です。

改めて、コミュニケーションの重要性を感じました。

次回は、もっとゲームらしい画像をお見せできることと思います!
ではまた次回、読んで頂ければ幸いです。


>>【2012夏】サイバーコネクトツー/プランナーコース 菊岡梨恵さん(1)
>>【2012夏】サイバーコネクトツー/プランナーコース 菊岡梨恵さん(2)
>>【2012夏】サイバーコネクトツー/プランナーコース 菊岡梨恵さん(最終)

>>サイバーコネクトツーのウェブサイトはこちら

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