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FUKUOKAゲームインターンシップBLOG

世界、そして、未来を見据える人たちが、福岡にいます。

GFF加盟企業をはじめとする福岡のゲーム企業の現場に入ってその仕事を体験する、ゲームインターンシップ制度。
ゲーム制作の厳しさ、楽しさを学んで、ゲームクリエイターになるきっかけをつかむ体験をブログ形式で報告します。

プランナーコース: 2014年1月アーカイブ

こんにちは!
ゲームデザイナー志望の小野将裕です!

今日で、インターンシップは最終日を迎え、同時にブログも最後の更新になります。
そんな最終更新ブログは、β版作成、およびマスターアップについて書いていきたいと思います。

◆β版とは
ゲームにおける仕様が全て取り入れられた状態の物を指します。
要するに、ゲーム部分はもちろん、タイトルからゲームオーバーなど全ての部分が出来ている状態です。
このβ版を作成した後、ひたすらデバッグ・調整作業が始まり、マスターアップへと入っていきます。

◆マスターアップとは
ゲームの完成品を提出する事を指します。
ここで言う完成品とは、バグを潰し、完全にゲームとして完成している状態です。
商用のゲームであれば、「これで商品として世に出します!」という状態の物です。


■β版作成
α版でゲームの核となる部分の制作は完了していたため、そこからゲームに必要な項目をどんどん実装していきます。
必要な画像リソースや、プログラマーが記述するコードの量が膨大になってくる為、
ゲームデザイナーの仕事としては、一刻も早く仕様を固め、各セクションに指示を出していかなければなりません。
私は、Excelを用いて綺麗なデータとして作成する時間も惜しかったので、
まずは手書きでささっと大まかな仕様を書いて、チームのみんなに指示を出す事にしました。
その時の一部が、以下の物になります。

2013夏CC2小野氏3.jpg 2013夏CC2小野氏3[1].jpg 2013夏CC2小野氏3[2].jpg
▲実際に作成した手書きの簡単な仕様書

手書きでもいいので早く仕様書を上げないと、プログラマー、アーティストの作業が止まってしまいます。

ゲームデザイナー兼リーダーの私としては、常にみんな何かしらの作業が残っており、
それが何なのかをそれぞれが明確に理解出来ている状態が理想です。

その為には、たまにはこういったアナログでの仕様書も書くべきといった事を指導担当の方にも教えて頂いたので、
今回実行してみました。

もちろん、データとして残しておくのは絶対なので、まずはこれをpdf形式で置いておき、
それを元に後でExcel等にデータを作成すると良いでしょう。


仕様書を書き上げた後は、UIの表示場所、的の出現パターン、敵の強さなど、各種調整の段階に入っていきます。
プログラマーやアーティストが、仕様書を元に作成してくれた素材やプログラムを、入念にチェックを行います。
例えば、
・このボタンはここだと少し押し辛いから、もう少し上にやろう。
・プレイヤーが見えにくいので、周りになにかエフェクトが欲しい。
・ここのアニメーションに違和感があるから修正お願いします。
等といった物です。
ここでも、各セクションとのコミュニケーションはすごく大切になってきます。

UI(ユーザーインタフェース。アイコンやゲージ、ボタン等の表示周りのこと。)等の表示位置は、
プログラマーさんが、調整を簡単に出来るような仕組みで作っていただけたりしていたので、すごく助かりました。
こういった"後で調整したくなる情報"を事前にプログラマーさんに伝えておくと、
それが簡単に調整出来るように作成してもらえる為、事前に調整項目を洗い出す事が出来る能力はすごく大切です。

2013夏CC2小野氏3[8].jpg 2013夏CC2小野氏3[9].jpg
▲敵の調整が出来るように、プログラマーに渡した仕様書


そして今回、こういった各種調整と共に私に訪れた作業が、"サウンド"です。
私たちのチームには、サウンド志望の方がいません。
かといって、プログラマーやアーティストはただでさえ膨大な作業量がありますので、
少しでも余裕があるゲームデザイナーの私が担当する事になりました。
音楽フリー素材のサイトを巡り、目当ての音を全て探すのは、そう簡単な事ではありません。
最初に必要なサウンドのリソースリストを作り、毎日少しずつサウンドを集めて行きました。
(画像)
サウンドの他にも、アーティストの手が回らない時は、簡単なボタン程度の素材作成を行ったり、
重大なバグが判明した時には、プログラマーと一緒にソースコードを読んで原因を探ったりなど、
結構色々な事をやっていました。
色々と細かい雑用をこなす事も、ゲームデザイナーの重要な仕事の一つですよ!


■マスターアップに向けて
全てのリソースの作成、コーディングが終了したら、今度はひたすらデバッグの期間がやってきます。
全ての作業が終わったばかりのゲームは、驚くほどバグが存在するものです。
ゲームが途中で止まったり、敵が出てこなくなったり、表示する画像がおかしかったり
...etc

2013夏CC2小野氏3[5].jpg
▲見つかったバグを直すのに苦戦しているプログラマー二人


こういったバグを見つけては潰し、見つけては潰しを繰り返します。
そして同時に、他の人にプレイをしてもらって感想(バグ報告も含む)をもらい、
ゲームに対して更に調整を加える段階でもあります。

開発者は、ずっとそのゲームを作っているので、簡単とか難しいといったレベル感覚が若干麻痺してしまいます。
自分では簡単だと思っていても、初めて触る人達からするとメチャクチャ難しい、みたいな感じです。
今回も実際そういった事は起こっていました。
自分の作品を客観的に見るという事はすごく難しいですが、
がんばってそういう視点で見るスキルを伸ばしていきたいと思います。

サイバーコネクトツーのインターンシップでは、自分の作った作品を社員の方々に見ていただく事が出来、
今回も自分達の作った作品をプレイしていただきました。
沢山のプロの方に、自分の作品に対して意見、感想等を述べてもらうなんて、
学生時代には中々こういった事を経験する場面は少ないと思います。
こういう経験が出来るというのが、インターンシップの最大の利点でもありますね。

そして、皆様から頂いた意見を踏まえつつ、レベル調整や、画面の構成、キャラクターの見やすさなどを
見直していきました。

こうして迎えるマスターアップの瞬間。
今まで頑張って作成したゲームを、指導担当者の方にチェックして頂きます。
最後の動作チェックなので、バグがおきないかどうか、誤動作がおきないかどうか、
いつもに増して開発室に緊張感が走ります。

2013夏CC2小野氏3[6].jpg
▲マスター版チェックの様子。みんな固唾を飲んで見守っています。


長く細かいチェックが終わり、無事、マスター版の提出が完了しました!
先ほどのすごい緊張感もあり、終わった瞬間すごくホッとしました。
一か月という短い間でしたが、一緒に一つの作品を作り上げた仲間たち。
感動が芽生えますね。

この一ヶ月間、すごく充実した時間を過ごす事が出来ました。
スタッフの皆様も、すごく優しく接してくれて、こんな素晴らしい環境でゲーム作りを経験出来た事は、
すごく幸せな事だと思います。
もし、FUKUOKAインターンへの参加を検討している人がいれば、是非参加してください!
確実なレベルアップが実感できると思いますよ!

それでは、数回しか行っていないブログ更新ですが、これにて終了させていただきます。
それでは!!

2013夏CC2小野氏3[7].jpg
▲共にゲームを作ってきた仲間たち。楽しい一カ月間をありがとう!!



【関連ブログ】
 サイバーコネクトツー:プランナーコース 小野将裕さん(1)
 サイバーコネクトツー:プランナーコース 小野将裕さん(2)


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こんにちは!
第15回FUKUOKAゲームインターンシップ生、ゲームデザイナー志望の小野将裕です!

悩んでいた企画もようやく固まり、各セクションの作業を開始することが出来ました。
私の担当であるゲームデザイナーというポジションでは、
これから以下のような手順で作業を行っていく事となります。
1.企画書の作成
2.α版作成の為の仕様書作成
3.α版チェックを随時行いながら、完成版の仕様作成
4.デバッグ、及び調整
大まかな項目を列挙してみました。
今現在、項目3の段階にまで差し掛かっているので、そこまでの話を今回はしていきたいと思います。


◆企画書の作成
ゲームのアイデアが出揃った段階で、ゲームデザイナーがまず行う仕事がこの企画書作成になります。
企画書とは、そのゲームの"面白さを伝える"書類の事を指します。
読み手側に、「このゲーム面白そうだね!」と思わせる為の書類となるので、
説明する順序、わかりやすさ、画像などを用いての伝え方が非常に重要になってきます。
実際、私が今回作成した企画書が以下のものになります。

2013夏CC2小野氏2.jpg 2013夏CC2小野氏2[1].jpg
▲実際に作成した企画書の一部


今回のテーマだった「ワラワラ」というものを、ハチの群れで表現しました。
そして、その群れを使って敵を倒していくというゲームになっています。
企画書を作成してから、早速指導担当のゲームデザイナーの方に見ていただきました。
頂いた意見としましては、

・各ページのフォーマットがほぼ統一されていて、見ていて飽きが来てしまう。
 (散歩などで、ずっと同じ風景が続いているイメージ。
  各ページ毎に動きのあるレイアウトにすると、見ていて楽しい感じになる。)
・大群という要素を活かしたシステムがもうちょっと欲しい。
 ("大群で遊ばせる"事で起こる面白さなどが書かれていないので、そこを追求する。)
といったものを頂きました。
しかし、現在のままでも遊べる形にはなっているので、
後者に関しては作りながら考えていくという方向でいく事になりました。
企画書のフォーマットに関しては、今回の指摘をまとめ、企画書全体の構成を組みなおすことで
ブラッシュアップに努めていきたいと思います。
こういった自分の成果物に対して、現場のプロの方から直接指導していただけるのも
サイバーコネクトツーのインターンシップの嬉しい項目の一つですね!


◆α版仕様作成
α版(ゲームの面白さが確認できる位の最低限のプログラム)を作成する為の仕様を考えていきます。
ここでいう仕様とは、プログラマーに対する処理の仕様、
アーティストに対するリソースの仕様両方の意味が含まれます。
まず、ゲーム全体をどのような構成にするのかを大雑把に決め、
そこからどこからどこまでの部分をα版として必要な項目なのかを見極める作業に入ります。
ここで、どの項目に対してどのくらいの時間がかかるのかも考えておくと全体のスケジュールが見えてくるので、
プロジェクトの進捗管理が非常にしやすくなります。
俗に言われるガントチャートとよばれるものです。
私は今回チームのリーダーも務める事となりましたので、ある程度スケジュールも組んで作成することにしました。

2013夏CC2小野氏2[2].jpg
▲今回私が作成したガントチャート


そして、ここからα版に必要な作業項目を抽出し、各セクションに対しての仕様書を作成していくことになります。
仕様書は項目を洗い出した後、各セクションとの入念なコミュニケーションが必要になります。
例えば、
・画像サイズは何x何なのか。
・拡張子は何なのか。
・アニメーションは何コマの絵を必要とするのか。
・エフェクトはアニメーションで行うのか、プログラム上で計算して表現を行うのか。
・キャラクターは、一つの画像で表現するのか、それとも間接毎に分けて、プログラム上で動かすのか。
などなど。
こういった項目を、各セクションが作業を進めていくにあたり、事前に決めておかなければなりません。

しかし、この項目を決めるのがものすごく大変です。
アーティスト、プログラマー、ゲームデザイナーそれぞれがみな、
より面白いゲームを作りたいと思う意見がぶつかり合う場でもあります。
例えば、
ゲームデザイナー「敵をxx体出して、自分のオプションをyy体出すシューティングにしたい。」
プログラマー「それを実現するならば、この部分の判定をこういう風に取ったら実現できるので、
画像はこういうものを用意してほしい。」
アーティスト「その処理だと、動きがぎこちなく見えて見た目が悪い!もうちょっとこうならない?」
みたいな論争が繰り広げられます・・・。
こういった論争をとりまとめるのも、ゲームデザイナーの大きな役目です。
自分が描いているゲーム性、システム的に問題が無い程度に、両者の意見を取り入れ、新たな提案を出したり、
時には説得する事も大切です。
実際今回の制作でもそういった仕様に対する議論が数多く行われました。
大変ではありますが、それだけ一生懸命面白いゲームを作りたいという意識があるということなので、
モチベーションも高まります!

こうした事を経て、作成したα版の仕様書がこちら。

2013夏CC2小野氏2[3].jpg
▲アーティストに対しての必要リソース表


2013夏CC2小野氏2[4].jpg
▲プログラマーに対しての仕様書その1


2013夏CC2小野氏2[5].jpg
▲プログラマーに対しての仕様書その2


こうして完成したα版の仕様書も、早速指導担当の方に意見を頂きに行きました。
全体としては悪くない評価でしたが、「絵をもう少し入れて(特に上図その2)、
パッと見ただけである程度イメージをつかめる構成にしましょう。」との評価を頂きました。
あれもこれも説明しようとするとつい字が多くなってしまいますが、やはり図や絵が一番パッと見て理解しやすいです。
これからの仕様書作成も、図や絵を出来るだけ多くいれる事を意識して作業を行っていきたいと思います。

こうして各セクションに仕事を割り振り、作業スタート!
それぞれの作業がこなされ、プログラム、絵の素材を結合すると、一気にゲームを作っている感が出てきます!

2013夏CC2小野氏2[6].jpg
▲ソースコードを打ち込んでいるプログラマー


2013夏CC2小野氏2[7].jpg
▲キャラクターの素材を描いているアーティスト


2013夏CC2小野氏2[8].jpg
▲アーティストが作成した素材をプログラムで動かしています。


そんな感じで、α版の制作が行われていく中、現在私は完成版に向けての仕様書作成を行っています。

次回の更新では、完全版の仕様書、デバッグ、調整あたりの話を書いていこうと思います。
それではみなさん、次回の更新もお楽しみに!!

【関連ブログ】
【2013夏】サイバーコネクトツー:プランナーコース 小野将裕さん(1)
【2013夏】サイバーコネクトツー:プランナーコース 小野将裕さん(最終)


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