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クリエイターズバトン:アルファ・システム/須頭 隆一氏

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株式会社アルファ・システム

プログラマ
須頭 隆一

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1.今の仕事を始めることになったきっかけ

「お前ら、ゲーム作ろうぜ」
 ゲーム作りを自分の仕事として意識したのは、友人のこんな発言がきっかけです。
 この友人のせいで学生時代はろくに勉強もせず、ゲームを作る事ばかり考えていました。
 おかげさまで学校の成績は及第点。でも、ゲーム作りに関しては誰にも負けない自信があります。今思うと考えが甘すぎだと思いますが、組織に取り込まれるのを嫌った私は、同人活動で食っていこうとすら思っていました。

 現在私が在籍している、株式会社アルファ・システムは当時の私の通学路にあり、地元(熊本)で面白いゲームを作る会社として身近に感じていました。
 就職活動の時期、会社のホームページを見ると丁度良いタイミングで求人情報が載っているではありませんか。腕試しにと、とりあえず応募。
 何とか役員面接まで至った時に、社長からこんな質問をされました。
「あなたはどうやって人を幸せにできますか?」
 明確な答えを持っている人は、多くは居ないでしょう。私もそうでした。
「人を幸せにするなんて、おこがましい事です」
 できるだけ自信のある様子を装って答えると、社長は予想もしなかった言葉を返しました。
「弊社を受験してくださって、どうもありがとうございます」
 この言葉のおかげで、少し幸せな気持ちになりました。まさか受験先の会社で社長から感謝されるなんて。幸福感以上に、衝撃を覚えました
 この会社で働けば、ゲームで世界を幸せにできる。社長の問いに答えを出すのは難しいですが、これだけはすぐに理解しました。そして、この会社で働きたいという欲求が強く湧いてきたのです。
 一週間程経ってから、合格通知が届きました。もちろん、私の就職活動はここで終了です。

 振り返ってみると、他人の言葉が私を大きく動かしています。
 周りの人やこの土地があってこそ、今の仕事をやれるんだと身に染みて感じています。

 

2.どんな仕事をしていますか?

 ゲームを作る仕事をしています。
 こう表現してしまえば身も蓋もありませんが、良いゲームを作る為なら何でもします。
 とは言っても、一応肩書きはプログラマなので、主に情報技術の分野において問題解決を行います。
 
 現在のプロジェクトでは、一日の半分をクリエイトする時間、半分をトラブル対処の時間に充てています。
 ゲームを開発する環境を含めて設計し、スタッフ間の段取りをつけ、コーディングをする。恐らく一般的なプログラマのイメージ通りの仕事をこなす時間が、クリエイトする時間です。
 ゲーム開発の現場にはルーチンワークが殆どありません。バグは突然発見されますし、機材トラブルはいつ起こるかわかりません。開発に係る要望や意見は社内外を問わずやってきます。このような解決すべき問題に対して常にアンテナを張り、クリエイトする時間と同じくらい力を注いでいます。

 

3.私にとっての思い出のゲーム。

 「メルティランサー」というゲームは、私が一番衝撃を受けたゲームです。プレイステーションを購入したのが中学卒業直後。一緒に買ったのがこのソフトです。
 ゲームの舞台は未来の地球。銀河警察の捜査官達と共に宇宙犯罪者から街を護るというストーリー。登場人物はみんな若い女の子。つまり、ギャルゲーと呼ばれるジャンルです。
 このゲームで初めて作り手に対して興味を持ちました。スタッフロールを見るのが楽しくて仕方ありませんでした。
 このゲームで初めてビジネスを意識させられました。お小遣いの殆どはグッズ購入に充てられています。
 このゲームで初めてプログラミングに興味が沸きました。所属する学科を、情報工学を学ぶ学科に変更した程です。
 私の初めてをことごとく奪っていったこのゲームは、他のゲームとは別の棚に置かれています。
 このゲームに出会わなければ、恐らくゲーム業界で働く事なんてなかったでしょう。それくらい、言い知れぬ衝撃を受けたタイトルなのです。

 

4.最近読んで面白かった本やおすすめの映画はこれ!

 最近「論語」を買いました。言わずと知れた、古代中国の思想家・孔子の金言集です。もちろん原文で読むのは、私にとって難易度が高すぎますので、現代の日本語に訳して解説してある物です。
 その本には「不可奪志」という書が載っていました。
 「子曰く、三軍も帥を奪う可きなり。匹夫も志を奪う可からざるなり」
 大軍のボスでも倒すことはできる。でも平凡な男の志を奪う事はできない。こんな感じの意味です。
 この言葉に出会った時、自然と涙が溢れてきたんです。理由は自分自身でも分かりません。たぶん何かが溜まっていたんでしょう。バスの中で読んでいたので顔を隠すのに必死でした。
 今自分がやっている事は、邪魔はされても誰にも止められない。そう励まされているようにも感じます。
 長い間支持されてきた書物だけあって、何も溜まっていなくとも、得られるものは大きいと思います。読みやすく解説された本がたくさん出版されていると思いますので、少しでも興味を持った方には是非読んで欲しいと思います。

 

5.ゲーム業界を目指す方へアドバイス

 ゲーム業界を目指すのは、今すぐやめてください。
 もしあなたがゲーム業界に入ったならば、きっと業界の宝になります。代わりに私の居場所はすぐに失われる事でしょう。私は利己的な人間なんです。あなたとは違うんです。
 もしあなたが物事に貪欲な人ならば、一層固く、諦める事をお勧めします。
 専門知識は言わずもがな。問題解決力が物を言う現場ですから、専門外だろうと使えないスキルなんてありません。
 例えば、飲み会のセッティングスキル。結構役立つスキルなんです。ゲーム製作はチームプレイですから、コミュニケーション力を発揮する機会は多いです。
 何でも身に付けてやろうという気概の持ち主ならば、私なんて簡単に追い越されてしまいます。ですから、どうかゲーム業界を目指すのは、やめてください。
 
 でも、あなたの志を奪えない事を、私は知っています。

 

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